インピーダンスアッセイ、細胞外電気活動、収縮力記録などの高速、ラベルフリーでかつリアルタイムの細胞関連シグナルの測定は、細胞の活性、生存率、細胞間接続をモニタリングするための優れた方法です。細胞が接着、増殖、または死滅すると、培養プレートに組み込まれた電極を通る電流の流れやすさもそれに伴って変化し、その結果インピーダンスに変化が生まれます。この現象を利用し、プレートに組み込まれた平面金電極で様々な周波数におけるインピーダンスを記録することにより、細胞の接着性の変化や、細胞特異的な構造変化などを明らかにすることができます。この手法では長期間にわたって細胞を継続的にモニタリングすることができるため、様々な細胞のフェノタイプに関する研究にも活用できます。
生理学的・病態生理学的プロセスをより深く理解するためには、in vivoに近い環境をディッシュ上で再現し、同一の細胞集団から得られた複数のデータを組み合わせて解析する方法が理想的です。in vitroモデルとしてhiPSC由来の細胞を使用することで、personalized medicineの発展につながるだけではなく、ヒト細胞の研究が可能となり、実験動物の使用を大幅に減らすことができます。
ヒト心臓の電気的および機械的な原動力に関する根源的な識見は、心疾患の複雑性を理解するうえで重要です。CardioExcyte 96は、同一の細胞群から電気生理学的および力学的なパラメータを同時に記録することができる装置です。FLEXcyte 96は特殊な伸縮性のある基板上で心筋細胞を培養することで、生体内に近い環境において心臓収縮性を測定する装置で、従来のランゲンドルフ灌流心に近い実験をハイスループットで行えます。